免疫の過剰反応が引き起こすアレルギー

花粉症の根本には「免疫力」の問題がある。

かなり問題の核心に近づきつつあるようです。
敵の大本営ともいうべき、この「免疫力」についてみていきましょう。“敵”を知れ、パート3です。

 

免疫

そもそも、花粉症の発症は、花粉症体質とでもいう、遺伝的なもの、自律神経の乱れ、内臓機能の低下、IgE抗体をつくりやすい免疫力の低下などが関係していますが、最も重要なファクターが「免疫力」となります。

 

花粉症のようなアレルギーは、「免疫の過剰反応」によっておこるとすでに見てきましたが、では、どうしてこの「過剰反応」が起こるのでしょうか?

 

カラダの免疫には、自然免疫と獲得免疫の2種類があります。

 

自然免疫

皮膚などフェンスを作って外敵の侵入を防ぐ「外壁」、ヒスタミンを分泌してマクロファージを呼ぶ「炎症」、外敵を食べて分解する白血球の一種である「マクロファージ」があります。

 

獲得免疫

免疫をつかさどる司令塔のような役割を果たすヘルパーT細胞というものが、外敵の侵入に対し、抗体というタンパク質を作り外敵に対抗することと、キラー細胞という外敵を殺してしまう細胞をつくることを司ります。

 

花粉症の問題は、このヘルパーT細胞が、本来無害であるはずの花粉を有害と誤って認識し、IgE抗体を作らせ、度重なるうちに、鼻の細胞内にある肥満細胞にとりつき、ヒスタミンやロイコトリエン、トロボキサンなどを放出するという「免疫の過剰反応」を引き起こすのではないかと言われています。



これには医学的にはもっと複雑な流れがあるのですが、ここではあえて理解しやすいように簡略化して話しています。

 

では、このような花粉症体質と言われている人でも発症する人としない人に分かれるのは何故でしょうか?
おそらく発症した人でも最初は、このヘルパーT細胞は正常に機能していたと考えられますが、途中で何かの拍子に誤作動するようになってしまった、

 

それは、究極のところ個人差であり、トータルな免疫力そのものの差にあると考えられています。

 

ストレスや様々な生活環境などが本来の免疫力を低下させ、ヘルパーT細胞の正常なる働きを狂わせてしまっているということになります。
そしてさらにこの上に、ヘルパーT細胞の誤作動を推進する要因も多くあるといわれています。おそらくこの複雑さや個人による免疫力の差などが、根本治療を阻んでいることになっていると考えられます。